海外資産は注目の的①


岡崎市・名古屋の税理士法人アイビスが、海外にある資金や資産の状況に関する情報に関して特に重視されている当局の関心事は納税者の留意点と考えながら、お話ししてまいります。

資金・資産の保有や移動の情報を重視

海外取引の調査に使われる法定調書の代表的なものは、下記の(A)~(D)の4種類です。

「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」という、名前は長いですが条文は11条しかない短い法律に、この4種類が全部入っています。
一般的に法定調書は、給与所得の源泉徴収票や報酬の支払調書のように、資金の支払者が、「誰にいくら払った」という情報を提出するものです。

適切な源泉徴収や受領側での申告等を担保するための、損益に関する情報が中心です。
しかし、(A)から(D)の4件はいずれも、直接的な損益情報というより、納税者の資産の移動や保有状況の情報です。
(A)と(B)は、納税者の資金の移動や証券の口座移管を行う金融機関が提出します。
(C)と(D)は、資産を持っている本人が提出するもので、調書というよりむしろ情報申告です。税務当局は、資金や資産の海外移転や保有を重視し、情報を積極的に収集しているのです。

これらの情報の中で、特によく使われるものが(A)の国外送金等調書です。
国境を越える100万円超の資金移動が、送金も受金も、損益取引でも貸借取引でも、すべて情報化されます。
また、平成26年からの開始以来、注目度の高いものに(C)の「国外財産調書」があります。これは、個人が国外に保有する財産の悉皆的な情報を、確定申告期限までに提出するものです。

 
 (A)国外送金等調書    100万円超の国際的な送受金
   (B)国外証券移管等調書    国境を越える口座間の証券移管
   (C)国外財産調書    5、000万円超の国外財産
   (D)財産債務調書    国内外の財産(提出基準あり)

広がる情報の裾野

税務当局は、個人所得税や相続税の分野では、資産運用の国際化が進む「富裕層」に注目しています。
そこでも多くの資料情報が使われていますが、特に納税者が自分で提出する、(C)の国外財産調書が重要です。
富裕層の資産管理には法人が使われることも多いですし、確定申告の時期でもありますので、個人の事例を見てみます。

事例

日本の居住者であるB氏は、X国に銀行口座を保有している。調査に来た調査官は、日本からその口座に、過去数年間の合計で100の送金があったこと、しかし昨年末の残高は5しかないことを知っていた。
口座の資金からは、X国のコンドミニアムや有価証券が購入されていた。これを踏まえ、利子や配当、有価証券の譲渡益、コンドミニアムの賃貸料などの無申告が指摘された。

⇒ 口座への送金額は国外送金等調書で、残高はCRS情報でわかります。
そうすると、次に調査官が考えることは、「100の送金実績があるのに残高が5だとすれば、残りの95はどこへ行ったか?」ということです。
資金が不動産や有価証券に姿を変えていれば、そこから生じる果実や、その譲渡収益などは、預金の利子などより、もっと大きい金額になる可能性大です。

そして、この調査で把握されたB氏の海外資産(預金・有価証券・不動産の合計)は、前年の12月31日時点で5、000万円を超えていました。本来は、国外財産調書を翌年3月15日までに提出すべきところでしたが、B氏は提出していません。
これが、さらなるデメリットにつながります。

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