前回、4/9の記事にて所得税の定額減税のうち「給与所得」の場合について解説いたしました。
今回は所得税の定額減税のうち「公的年金」の場合について解説いたします。

概要

公的年金受給者本人及びその配偶者を含めた扶養親族1人につき、令和6年分の所得税から3万円・住民税から1万円の減税を実施

所得税の定額減税方法

・年金受給者の場合、6月に支給される公的年金の源泉徴収分から所得税分(3万円)が減税

・所得税額が3万円未満で6月分から減税しきれない分は、8月以降に支給される公的年金分から減税

※住民税の減税方法につきましては後日解説いたします

対象者

・公的年金受給者で合計所得金額が1,805万円以下の人や、生計を一とする配偶者・親族などで合計所得金額が48万円以下の人

定額減税額

①公的年金受給者本人    ・・・30,000円
②同一生計配偶者及び扶養親族・・・30,000円/1人
例)配偶者と子供1人を扶養している場合
30,000(本人)+60,000(配偶者・子供)=合計90,000円の減税が受けられる

注意点

・あくまで公的年金が対象であり、確定給付企業年金法の規定に基づいて支給を受ける年金等の源泉徴収においては。定額減税額の控除は行われません

・公的年金等の支払者のもとで控除される定額減税額は、提出した「令和6年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の記載内容に基づき計算されるため、提出する「令和6年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の内容は正確に記入しましょう

・扶養親族が亡くなった等扶養親族の人数が変わった場合には、2025年の確定申告が必要となります
※扶養親族が増えた場合:減税額が増えるので確定申告で還付される可能性がある
※扶養親族が減った場合:減税額が減るので確定申告で追徴する可能性がある

・年金受給者が給与を受け取っている場合は、それぞれの収入に対して定額減税が適用される予定です。年金と給与の両方で定額減税が実施されるため、二重減税となってしまします。その為2025年の確定申告が必要となります

以上のように、今まで確定申告がしていなかった方も2025年は確定申告が必要となる場合があります。ご注意下さい。

今回は公的年金の定額減税について解説いたしました。
次回は「不動産・事業所得者」の定額減税について解説予定です。

定額減税についてご不明な点・ご不安な点等ございましたら、名古屋・岡崎市にある税理士法人アイビスまでお問合せくださいませ。



中小企業・小規模事業者の方たちに向けて生産性の向上を支援する
業務改善助成金について岡崎市 税理士法人アイビスがご案内してまいります。

業務改善助成金とは

事業場内において最も低い賃金(事業場内最低賃金)を
30円以上引上げるとともに生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、
その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。


「生産性向上のヒント集」令和5年3月版 厚生労働省より

※事業場内最低賃金の引上げ計画と設備投資等の計画を
立てて申請いただき、交付決定後に計画どおりに事業を進め、
事業の結果を報告いただくことにより、設備投資等にかかった
費用の一部が助成金として支給されます。

助成上限額


※10人以上の上限額区分は、特例事業者が、
10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になります。


「生産性向上のヒント集」令和5年3月版 厚生労働省

助成率


対象となる設備投資

経費区分:機器・設備の導入

(対象経費の例)
・ POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
・リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮

経費区分:経営コンサルティング

(対象経費の例)
・国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直し

経費区分:その他

(対象経費の例)
・顧客管理情報のシステム化

対象事業者・申請の単位

  • 中小企業・小規模事業者であること
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

上記の要件を満たした事業者は、事業場内最低賃金の引上げ計画と
設備投資等の計画を立て、(工場や事務所などの労働者がいる)
事業場ごとに申請いただきます。

令和6年度からの主な変更点

◆コロナの影響を受けた事業者向けの生産量要件や
 関連する経費が終了しました。
◆事業完了期限は、2025年1月31日までとなります。
 ※やむを得ない事由がある場合は、理由書の提出により
 2025年3月31日とできる場合があります。
◆令和6年度から同一事業場の申請は年1回までです。

過去に助成金を活用した事業者も対象となります。
ご検討されている事業者様は厚生労働省HPで詳細を
ご覧ください。

厚生労働省ホームページ「業務改善助成金」

岡崎市 税理士法人アイビスは事業者の皆様へお役立ち情報を随時発信してまいります。


今回は、中小企業の資金繰りを改善すべく「約束手形」決済60日に短縮、そして2026年度末までに廃止というテーマで岡崎市 税理士法人アイビスがお役立ち情報をお届けしてまいります。

約束手形とは

約束手形とは、期日までにあらかじめ決めていた金額の支払いを約束する有価証券の
1つです。振出人が受取人に対して約束手形を振り出すことで、現金での代金決済の
代わりにすることが可能です。

現在の約束手形は、振出人のメリットの方が多く受取人にとっては大きなリスクを
伴うケースが多く発生していました。

<約束手形の代金を支払う側メリット>

  • 支払いを先延ばしできることで資金調達のための期間が猶予できる
  • 取引に利子がかからない
  • 会社が社会的信用を得られる

<約束手形の代金を受取る側デメリット>

  • 入金が遅い
  • 郵送料の負担を求められるケースがある
  • 取立手数料を支払う必要がある

改正①:手形発行(交付日)~入金(満期日)にかかる日数を120日から60日に短縮へ

2024年11月から適用予定です。
下記イメージの②~⑤にかかる日数が120日から60日へ短縮されます。


改正②:2026年度末までに約束手形が利用廃止に

2026年度末までに約束手形が廃止され、全面的な電子化の方針を示されました。

<電子化活用のメリット>

◎業務負担軽減
支払側:手形の発行や郵送作業などの事務負担軽減
受取側:WEB取引完結

◎現物管理不要リスク低減
支払側:ペーパーレス化により紛失・盗難、災害などの心配がない
受取側:入金期日に自動入金される

◎コスト削減
支払側:郵送料や手形帳代金不要
受取側:領収書不要

また、今後は電子記録債権やインターネットバンキングによる
振込に移行にしていく動きがあるようです。

約束手形の廃止に伴う代替案「でんさい」

事業者の資金調達の円滑化などを図るべく創設された
「株式会社全銀電子債権ネットワーク」(通称:でんさいネット)が
取り扱う電子記録債権が「でんさい」です。
現在、多くの企業が紙の手形の問題点を克服した金銭債権として活用しています。

「でんさい」のメリット

<支払側>
・ペーパーレスだから手続きが楽!送付費用もゼロ
・印紙税は課税されません
・支払手段の一本化で効率的

<受取側>
・ペーパーレスだから保管も不要
・必要な分だけ分割して譲渡や割引ができる
・入金期日に自動入金されるので取引手続き不要
・債権を有効活用でき資金繰りに役立つ


わたくしたち中小企業にとって、安全な回収、短期サイトの実現、コスト削減に向けた
対策は非常に重要です。2026年度末までの約束手形廃止に向けて、今のうちに電子化を検討して
みてはいかがでしょうか。

岡崎市 税理士法人アイビスでは初回相談60分無料で行っています。
お気軽にお問い合わせくださいませ。


皆さんもご存知の通り令和5年11月29日からキャリアアップ助成金の正社員化コースが57万円→80万円に拡充されていますが、今一度受給要件を詳しくみていきましょう。

キャリアアップ助成金とは

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者等、いわゆる非正規雇用労働者正社員化や処遇改善の制度を整備し、一定の要件を満たした事業主に支給される助成金です。

従来から拡充された点

①助成金(1人あたり)の見直し


企業規模 R5.11.28まで R5.11.29以降
有期→正規雇用
R5.11.29以降
無期→正規雇用
中小企業 57万円 80万円 40万円
大企業 42.75万円 60万円 30万円

中小企業の場合80万円で大幅アップのように感じますが従来は1期で57万円
拡充後は2期(6か月×2回)で80万円(40万円×2回)の支給
正社員として6か月雇用後に1期の申請が可能、さらに6か月雇用で2期の申請が可能へ

②対象となる有期雇用労働者の要件緩和


対象となる有期労働者の
雇用期間
R5.11.28まで R5.11.29以降
6か月以上3年以内 6か月以上

従来は雇用開始から3年が経過している有期雇用労働者はこの助成金の対象外でしたが、3年を超える雇用期間の労働者も対象に含まれ、対象者が拡充されました。
但し、有期雇用期間が通算5年を超えた労働者については「 無期→正規 」の転換と同額

③正社員転換制度の規定に関する加算措置【新設】


正社員転換制度を新たに規定し、
当該雇用区分に転換等した場合
新設
20万円
(大企業15万円)

・正社員転換制度を新たに規定・導入し、実際に正社員に転換した場合の加算措置が新設
・1事業所当たり1回のみ
・「無期→正規」の転換制度を新たに規定した場合も同額を加算

④多様な正社員制度規定に関する加算措置


勤務地限定・職務限定・短時
間正社員制度を新たに規定し、
当該雇用区分に転換等した場合
R5.11.28まで R5.11.29以降
9.5万円
(大企業7.125万円)
40万円
(大企業30万円)

参考 厚生労働省 キャリアアップ助成金

令和6年度のキャリアアップ助成金は金額も増え、新たに転換制度を設けた事業主に加算措置があり、より魅力的な内容となっているのではないでしょうか。

税理士法人アイビスでは皆様のお役に立てる情報をお届けしています。
いつでもお気軽にお問合せ下さい。


前回、4/2の記事にて令和6年度税制改正大綱について解説いたしましたが、
今回の記事よりその中身についてより詳細に解説していきます。

まず、今回は「所得税の定額減税」のうち、給与所得の場合について解説いたします。

所得税・個人住民税の定額減税について

概要

給与所得者本人及びその配偶者を含めた扶養親族1人につき、令和6年分の所得税から3万円・住民税から1万円の減税を実施

ただし、給与収入約2,000万円を超える高額所得者については対象外

所得税の定額減税方法

① 給与所得者

  • 6月以降の源泉所得税額から減税
  • 6月に減税しきれなかった場合には、翌月以降の税額から順次減税

② 公的年金受給者
③ 不動産所得・事業所得者等

  • 次回以降の記事にて解説

個人住民税の定額減税

  • 次回以降の記事にて解説

給与所得者の所得税定額減税における注意点

定額減税額

① 給与所得者本人      ...30,000円
② 同一生計配偶者及び扶養親族...30,000円/1人

(例)同一生計配偶者 ”有”  扶養親族 ”1名” の場合
30,000円(本人分)+30,000円(同一生計配偶者)+30,000円(扶養親族)
=90,000円 給与所得者本人の月次減税額

定額減税対象者

令和6年6月1日現在、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の方(扶養控除等申告書を提出している方)

そのため、下記に該当する方は定額減税対象者に該当しません

  • 乙欄・丙欄が適用される方(2ヶ所以上給与の方でメインではない方等)
  • 令和6年6月2日以降に働き始めた方(転職後等)
  • 令和6年5月31日以前に退職した方
  • 令和6年5月31日以前に非居住者となった方

配偶者の定額減税額計算の有無


上記出典元:国税庁 令和6年分所得税の定額減税のしかたパンフレット

給与所得者の定額減税について解説いたしました。

次回以降、随時「公的年金受給者」「不動産・事業所得者」の定額減税についても解説していきます。

定額減税についてご不明な点・ご不安な点等ございましたら、名古屋・岡崎市にある税理士法人アイビスまでお問い合わせくださいませ。


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