令和2年度第二次補正予算の内、注目すべき2点の予算メニューについて確認しておきましょう
令和2年度第二次補正予算案が可決・成立
「第二波」「第三波」等の言葉が叫ばれる中、“Withコロナ”の姿勢と共に、経営に対する“備え”の重要度がますます高まりつつある、昨今のコロナウイルス感染症問題。
そのような中、「感染拡大の抑え込み」と「社会経済活動の回復」の両立を目的に、2020年6月12日、令和2年度の第二次補正予算案が可決・成立されました。
今回はその中から厚生労働省主管分に焦点を当てつつ、特に介護業界に大きく関連するであろう2つの予算内容についてピックアップし、お伝えしてまいります。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)
では、早速、中身を確認してまいりましょう。まず1つ目は、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)についてです。
新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(介護分)
※令和2年度厚生労働省第二次補正予算案(参考資料)より
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こちらは感染症対策を徹底しつつ、介護サービスを再開し、継続的に提供するための事業者への支援となります。
具体的な支援内容として掲げられているものは、下記の通りです。
・ 感染症対策のために必要な物品の購入
・ 外部の専門家などによる研修の実施
・ 感染発生時の対応
・ 衛生用品の保管などに柔軟に使える多機能型簡易居室の設置
感染症拡大防止を大前提としつつ、万一、感染症が発症してしまった場合にも速やかに対応できるよう、設備や備品等、環境を整えることを目的とした支援が中心となっています。また、「補助率100%(実施主体は都道府県)」という点も要注目です。多くの事業所様にとって「強い味方」の交付金となるのではないでしょうか。
続いて、2つ目の予算内容を確認してまいりましょう。
介護分野における効果的な感染防止等の取組支援事業
2つ目は、介護分野における効果的な感染防止等の取組支援事業についてです。
介護分野における効果的な感染防止等の取組支援事業
※令和2年度厚生労働省第二次補正予算案(参考資料)より
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前述の予算との線引きが若干曖昧に感じられるところはあるものの、こちらは主に感染防止対策に対する「中長期視点に基づいた、ソフト面中心の補助メニュー」と理解・整理することが出来るかもしれません(その意味では、前述の「新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金」の場合は設備や備品といった“ハード面中心の補助メニュー”だと理解しても差し支えないでしょう)。
日常的な相談窓口の設置に対する費用、感染対策のマニュアル作成費用、専門家による研修費用、業務継続計画(BCP)の作成費用等に対する支援が例として挙げられています。
また、こちらの事業も前述のものと同様、「補助率100%(実施主体は都道府県)」と書かれているものが多い点は同じく要注目だと言えるでしょう。
未来を見据えて早めに取り組みの検討・実施を
以上、令和2年度第二次補正予算(厚生労働省分)のうち、介護業界に大きく関わる点について採り上げ、簡単に解説させていただきました。
支援の開始時期や具体的な手続き方法等については今後、各自治体より順次発表されるかと思いますので、行政からの情報に対しては敏感になっておく必要があるかと思われます。また「2020年4月まで遡っての請求申請」が可能という話も出ておりますので、必要に応じて過去の購入内容や領収書を事前整理しておいても宜しいかもしれません。機会損失を起こさぬよう、しっかり活用できるものは活用し、今後の事業所の運営に役立てていくことを強くお勧めする次第です。
今後も引き続き、本テーマを含め、より有益な情報・事例等を入手出来次第、皆様に向けて発信してまいります。
今月も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※上記内容の引用元資料はこちら
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令和2年度厚生労働省第二次補正予算案(参考資料)
https://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/20hosei/02index.html