R7改正 所得税の基礎控除等引上げ後の人的控除の控除額に係る全体像/最新税制情報を名古屋・岡崎市にある税理士法人アイビスが解説
令和7年度税制改正により、所得税の「基礎控除」や「配偶者控除・扶養控除」などの人的控除に大きな見直しが入りました。この記事では、改正の概要と実務への影響を、解説します。
◆R7度税制改正後の基礎控除
改正前は一律48万円だった基礎控除額が、所得に応じて段階的に見直されました。
合計所得金額 | 改正後の基礎控除額(R7~R8) | 改正前 |
132万円以下 | 95万円 | 48万円 |
132万円超~336万円以下 | 88万円(R9以後:58万円) | 48万円 |
336万円超~489万円以下 | 68万円(R9以後:58万円) | 48万円 |
489万円超~655万円以下 | 63万円(R9以後:58万円) | 48万円 |
655万円超~2,350万円以下 | 58万円 | 48万円 |
(注)
1 改正後の所得税法第86条の規定による基礎控除額58万円に、改正後の租税特別措置法第41条の16の2の規定による加算額を加算した額となります。
2 合計所得⾦額が655万円以下の場合は、58万円にそれぞれ37万円、30万円、10万円、5万円を加算した⾦額となります。なお、この加算は、居住者についてのみ適用があります。
3 合計所得金額2,350万円超の場合の基礎控除額に改正はありません。
◆給与所得控除の見直し
給与所得控除について、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられました。
◆【新設】特定親族特別控除
「年齢19~23歳の子供(大学生など)」を持つ家庭向けに、**特定親族特別控除(最大63万円)**が創設されました。
【対象となる親族】
年齢19歳以上23歳未満
合計所得58万円超123万円以下
居住者と生計を一にしている
配偶者・専従者等でないこと
源泉徴収時に控除を受けるには、**「給与所得者の特定親族特別控除申告書」**の提出が必要です。
◆【人的控除】配偶者控除・扶養控除等も改正
基礎控除額の見直しに連動し、各種人的控除の「所得要件」が10万円引き上げられました。
控除対象 | 改正後の所得要件 | 改正前 |
扶養親族・同一生計配偶者 | 58万円以下 | 48万円 |
ひとり親の扶養対象の子供 | 58万円以下 | 48万円 |
勤労学生 | 85万円以下 | 75万円 |
◆【実務対応】年末調整と源泉徴収への影響
令和7年分の年末調整から新基準で控除額を計算
特定親族特別控除を受ける場合は新申告書の提出が必要
源泉徴収税額表は令和8年分以後に改定される予定
このように名古屋・岡崎市にある税理士法人アイビスでは皆様に役立つ情報を随時配信しております。