消費税のインボイス制度について⑦/岡崎市・名古屋市にある税理士法人アイビスが解説


令和5年10月1日から始まるインボイス制度を機に、課税期間の途中から免税事業者から課税事業者になった際の計算について解説します。

課税期間途中から課税事業者になった際

令和5年分について免税事業者である個人事業者が令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けた場合には、登録日である令和5年10月1日以降は課税事業者となります。免税事業者が、令和5年10月1日以降に課税事業者になるということは、9月30日までは免税事業者で、令和5年10月1日から令和5年12月31日までの期間は課税事業者となりますので、消費税の申告が必要になります。

令和5年10月1日以降の計算方法

令和5年10月1日以降に免税事業者から課税事業者になった際の消費税の計算方法には従来からある本則課税、簡易課税に加えて2割特例の3つの計算方法が選択できます。
本則課税・簡易課税・2割特例を、例を使って説明します。

【例】課税売上高550万円、課税仕入れ220万円の建設業を営む個人事業主(課税売上・課税仕入れともに税率は10%のみ、令和5年10月1日以降、インボイス登録をして課税事業者になる予定)

1 本則課税

・預かり消費税-支払消費税=550万円×10/110-220万円×10/110=30万円

2 簡易課税

・建設業は第3種事業なので、みなし仕入率は70%

・預かり消費税-預かり消費税×70%=550万円×10/110-550万円×10/110×70%=15万円

3 2割特例

・預かり消費税-預かり消費税×80%=550万円×10/110-550万円×10/110×80%=10万円

以上のような計算になります。
免税事業者が課税事業者になる場合、2割特例を選択すれば、納税負担は本則課税より20万円、簡易課税より5万円少なくなります。

※ただし、2割特例は簡易課税と同様に還付はありません。「預かり消費税<支払消費税」となっても1円も戻ってこないので注意が必要です。輸出免税を行っている事業者などは本則課税の方が得かもしれません。

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