知っておきたい災害税制/名古屋・岡崎市の税理士法人アイビスより最新情報をお届けします
全国各地で起こりえる自然災害や大規模な事故によって、万一自宅や会社が被災したり、大切な取引先が被災して操業不能になってしまったりした時には、税の特例をフル活用して日常を取り戻す助けになるよう、災害にそなえてもしもの場合に使える税の制度を確認しておきましょう。
災害税制の種類
1.災害復旧税制
・減税措置
災害によって被害を受けた土地や建物について、復旧のための費用が税金面で軽減されることがあります。例えば固定資産税の軽減や災害による修理費用の一部が控除されることがあります。
・災害損失控除
個人や法人が災害で損失を被った場合、確定申告でその損失を控除できる場合があります。
2.義援金に関する税制
災害復興のために寄付を行った場合、その寄付金に対する税制上の優遇措置が適用されることがあり、これにより寄付者の税負担(所得税や住民税)が軽減されることがあります。
3.災害損失控除
自宅や事業所が災害で損失を受けた場合、その損失額を所得税から控除することが出来る場合があり、これにより損失を一部回収出来ることがあります。
4.税制特例
災害発生後、特定の期間に納税期限の延長や一時的な税率の引き下げといった特例措置が設けられることがあり、これにより経済的な負担を軽減することが出来ます。
※災害税制の具体的な適用範囲は、災害の種類や規模、被害の程度に応じて異なります。
過去の豪雨災害の例
被害の大きい自治体を指定して「災害救助法」が適用され、同法の適用を受けた自治体の事業者は、以下5つの支援を受けました。
①特別相談窓口の設置
②災害復旧貸付の実施 → 日本政策金融公庫と商工中金より復旧資金を最大1億8千万まで低金利で借りられる
③セーフティネット保証4号の適用 → 信用保証協会が融資額の100%を保証
④既往責務の返済条件緩和などの対応
⑤小規模企業共済災害時貸付の適用 → 即日低金利融資が実行
税制特例を受けるために
これらの税制特例をフル活用し、税負担をなるべく抑えることが、日常を取り戻すための足掛かりとなるでしょう。これらの特例の適用を受けるうえでは、被災したことの証明が必要となります。個人であれば自治体発行する罹災証明書、企業であれば商工会や商工会議所などが発行する被災証明願などです。自治体によっては企業向けの罹災証明書を発行しているところもある。
証明書をスムーズに受け取るため、被災時は「写真撮影」も忘れないようにしたい。「何メートルの所まで浸水したか」「家がどれだけ損壊しているか」など、被災直後に念入りに被害状況の分かる写真を多く撮っておくことで、各種手続きが円滑に進むはずです。
自然災害はいつ起きるかわかりません。被災したとしても、業務を可能な限り早く再開させ、家族や従業員の生活を守るため、日頃から備えておきましょう。