スキャナ保存~可視性の確保の要件~/税に関するご相談は名古屋・岡崎市の税理士法人アイビスヘ!
可視性の確保とは
可視性の確保とは、ビジネスやプロジェクトで重要な情報やデータを整理して見やすく理解しやすい状態にすることです。情報が整理されていれば、問題や改善点が明確になり、効率的な意思決定や良い結果を得るための手助けになります。そこでスキャナ保存で必要となる可視性確保の要件は以下の4点です。
1 | 保存するシステムの概要を記載した書類等の備付けを行うこと |
2 | 見読可能装置等(電子計算機、プログラム、カラーディスプレイ(映像面の最大径35cm以上)、カラープリンタ)及びこれらの操作説明書を備え付けること |
3 | 保存した取引記録をディスプレイの画面及び書面に整然とした形式、明瞭、かつ拡大又は縮小が可能な状態で、速やかに出力することができるようにしておくこと |
4 | 以下の検索機能を確保すること
イ 取引年月日その他の日付、取引金額、取引先を検索条件として設定できること
ロ 日付又は金額について、範囲指定により検索できること
ハ 二つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること
※ 税務職員の質問検査権に基づくダウンロードの要請に応じる場合には、上記ロ、ハの要件は不要となります。 |
押さえておきたい3つのポイント
①書類をスキャンしたデータは、その書類に関連する帳簿の記載事項との間において、「相互に関連性を確認できる」ようにしておくこと。
②備付けが必要な「見読可能装置(ディスプレイやプリンタ等)」は、カラー、かつ拡大・縮小が可能なものであること等が求められる。
③スキャナ保存にあたっては、取引年月日等、取引金額、取引先を検索の条件として設定するなど、「検索機能を確保する」こと。
まとめ
スキャナ保存は、何を対象とするかは任意ですので、あくまで業務の効率化やペーパレス化の観点から取り組むべきものと考えてください。つまり、そもそもコストをかけて紙の書類をスキャンして電子化する必要を感じないのであれば、無理に取り組む必要はありません。
他方で、ワークフローシステムを導入して承認処理プロセスをシステム化し、これを各業務システムや会計システムに連携させることにより、ルールを透明化し、ひいては誰もがシステム上で業務を遂行できるようにすること。スキャナ保存はこのような場合に有効な手段となります。
また、出張旅費や経費の立替金については、立替者が受領した紙の領収書に基づいて精算することが多いと思います。こうした紙の領収書なども、領収書を受領した立替者がスマートフォンなどで領収書を撮影し、それを電帳法上のスキャナ保存の要件を満たした経費精算システムを利用して精算手続きを行えば、紙のやりとりを社内にまで持ち込むことはありません。
このように、仕事をシステム上で電子的に行うための手段として捉えて、スキャナ保存に取り組んでいただくことが大切です。