消費税の各種届出書について③/岡崎市の税理士法人アイビスが皆様のお役に立つ情報をお伝えします。
先週の火曜日に消費税の簡易課税制度についてお伝えしました。
今回は、消費税の簡易課税制度のメリット、デメリット、注意点について解説をします。
メリット
事務負担が軽減される
消費税の計算時に支払消費税額の管理をする必要がなくなるので、手間が省け、事務負担が軽減されます。
税負担が軽減される場合がある
課税売上に占める課税仕入の割合がみなし仕入税率よりも低い場合、税負担が軽減されます。支出の大部分が人件費や消費税対象外のものである場合。
納税額の予測がしやすい
「収入にかかる消費税×みなし仕入率」で控除額を算出するため、原則計算と違い、課税売上高が分かれば計算ができます。そのため、仕入税額控除を把握する必要がありません。
デメリット
複数の業種を取り扱う場合、事務的負担を感じる可能性がある
複数事業を営む会社が簡易課税制度を適用する場合、収入にかかる消費税を業種ごとに区分しない限り、その中で最も低いみなし仕入率を使って控除額を計算しなければならないという規定があります。
したがって、この不利益を回避するためには、収入にかかる消費税を業種ごとに区分する必要がありますが、事業数が多い会社ではこの区分管理がかなりの事務的負担となる可能性があります。事業数が多い会社にとってはこの点がデメリットになります。
税負担増加の可能性がある
課税売上に占める課税仕入れの割合によっては、原則課税よりも税負担が大きくなってしまう場合があります。
簡易課税の場合、控除額は「収入にかかる消費税×みなし仕入率」で計算されるので、支出や設備投資の増加は控除額に反映されないからです。
注意点
消費税簡易課税制度選択届出書は、消費税簡易課税制度選択不適用届出を出すまで有効です。そのため、消費税簡易課税制度選択不適用届出書を提出している場合を除き、基準期間の課税売上高が5,000万円を超えて原則課税で申告をした後に再度5,000万円以下となった場合、再度自動的に簡易課税制度が適用されます。
2種類以上の事業を営む事業者が課税売上げを事業ごとに区分していない場合には、この区分をしていない部分については、その区分していない事業のうち一番低いみなし仕入率を適用して仕入控除税額を計算する。
簡易課税から原則課税への切り替えは、簡易課税制度が適用された年度から2年経過しないとできません。
まとめ
簡易課税制度は適用されてから2年は継続しなければなりません。メリット、デメリットをしっかり把握し、届出の提出をした方がよいでしょう。
名古屋市・岡崎市の税理士法人アイビスでは皆様のお役に立てる情報をお届けしています。
上記の書類提出もお気軽に税理士法人アイビスまでご相談ください。