電帳法対応しない場合の罰則と違反内容/名古屋・岡崎市の税理士法人の解説


電子帳簿保存法の罰則

2022年に電子帳簿保存法が改正され、国税関係帳簿や書類などの電子データ保存がしやすくなりました。しかし、電子帳簿保存法の要件が緩和された一方で、不正や悪用を防ぐための罰則も強化されています。

電子帳簿保存法の罰則は、主に次の3つです。

1.青色申告の承認が取り消される
2.推計課税や追徴課税を課せられる
3.会社法による過料を科せられる
どのような罰則が課せられるのか、詳細を見ていきましょう。

1つ目は、青色申告の承認が取り消されることです。

青色申告の承認が取り消されると、最大65万円の特別控除が受けられなくなる
その年に発生した赤字額が翌年の黒字と相殺できなくなる
企業としての信頼を損なう
などのデメリットが生じます。

ただし、国税庁は「電子帳簿保存法の規則に違反したからといって、すぐに青色申告が取り消されるわけではない」との見解を示しています。簡単に言うと、取引の事実が電子データ以外(書面など)からしっかり確認できる場合、すぐに青色申請を取り消されることはありません。


2つ目は、推計課税や追徴課税を課せられる

前述したとおり、青色申告の承認が取り消されると白色申告になり、最大65万円の特別控除が受けられなくなります。加えて、国税関係帳簿書類に不備や誤記が多い場合は、税務署による「推計課税」がおこなわれる可能性もあります。

推計課税とは、所得税や法人税について税務署が税額を推定し、課税することです。推計課税は税務署判断で金額が決められるため、より多くの税金を支払うおそれがあります。また、電子データで悪質な改ざんや隠ぺいが明らかになると、通常の追徴課税35%に10%加重して納めなければなりません。


3つ目は、会社法による過料を科せられる

電子帳簿保存法で違反が発覚した場合は、「会社法」にも違反しているおそれがあります。会社法第976条では、帳簿や書類の記録・保存に関する規定があり、国税関係帳簿書類を適正に保存しなかった場合は、100万円以下の過料が科せられることもあるため注意が必要です。

このように、電子帳簿保存法に則った電子データ保存ができていない場合、さまざまな罰則を受けるリスクが潜んでいます。

電子帳簿保存法の違反になる4つの要素

・データ保存の要件を満たせていない
・検索要件を満たせていない
・保存期限が過ぎている
・保存期間が足りていない

上記4点の対策として、
対策1.社内コンプライアンス教育を徹底する
電子帳簿保存法の違反は、紙類を電子文書化する際に不正が発生しやすい傾向にあります。そのため、文書を扱う担当者だけではなく社員全員にコンプライアンス教育をおこない、一人ひとりの意識を高めることが大切です。事務処理規程を作成し、継続した運用ができるように業務フローを確立させましょう。

対策2.電子帳簿保存法に対応したシステムを導入する
繰り返しお伝えしてきたように、電子帳簿保存法に従って文書を保存するには各区分で定められた要件を満たす必要があります。しかし、対応すべき項目も多く、自社で継続して運用するとなると担当者の負担が大きくなってしまいがちです。そこでおすすめなのが、電子帳簿保存法に対応したシステムの導入です。システム導入することにより、電子帳簿保存法の各要件を満たしつつ、業務負担を軽減して効率化を図れます。


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