相次相続控除とは/岡崎市の税理士法人アイビスが解説
◆岡崎市の税理士法人アイビス 相続サポートセンターがご説明します
相次相続控除とは、相次で(あいついで)という言葉通り、短い間に相続が重なることをいいます。
相次相続控除とは10年以内に相次相続が発生した場合に相続税の負担が過重になるのを軽減する特例です。
短期間に続けて相続が発生すると同一の財産に二重に相続税が課税されることになるため、前回の相続時に課税された相続税の一定部分を今回の相続の相続税から控除する特例が設けられています。
相次相続控除を適用すると、例えば、祖父から財産を相続した父が祖父の死後10年以内に死亡した場合に父が祖父の相続で課税された相続税の一定部分が、子が父の相続で納付する相続税から控除されます。
この控除は10年以内で経過年数に応じて1年につき10%の割合で減額するように計算しますので、前回の相続から今回までの期間が短いほど控除額が多くなります。
控除される割合は、前回の相続から今回の相続までの期間が2年で80%(10年-2年)、6年で40%(10年-6年)となり、経過年数によって減少するよう計算されます。
相次相続控除の要件
相次相続控除が受けられるのは次の要件に当てはまる場合です。
なお、被相続人とは財産を残して亡くなった人のことをいいます。
① この控除の適用を受ける人が被相続人の相続人であること
② 善かの相続開始から今回の相続の開始まで10年以内であること
③ 前回の創造区で今回の相続の被相続人が相続財産を取得し、相続税が家財されていること
この控除の適用対象者は亡くなった方の相続人であることが要件とされていますので、遺言により財産を受け取っていても、相続人でなければこの控除はうけられません。
相次相続控除の計算
相次相続控除の計算では、前回の相続で課税された相続による相続税額から控除されるかを算定します。
また、控除額は上記で説明したとおり、経過年数に応じて1年に10%の割合で減額されます。
相次相続控除を適用する手続き
相続税の申告期限は相続の開始を知った日の翌日から10か月以内ですが、相次相続控除の適用を受けるためには、相続税申告書の「第7表(相次相続控除の計算書)」を作成して提出します。
また、控除額の計算の根拠として前回の相続税申告書控のコピーの添付が必要となります。
なお、相次相続控除を適用することによって相続税の納付税額が無くなる場合は、相続税の申告をする必要はありません。
相次相続控除の注意事項
相続相次控除を適用する場合、次の注意点があります。
相続人でない場合には適用できない
相次相続控除の適用対象者は、相続人に限定されていますので、相続の放棄をした人や「欠格」「廃除」などで相続権を失った人が遺贈により財産を取得した場合でもこの控除は適用されません。
前回の相続で相続税が課税されていない場合は適用できない
前回の相続で相続税が課税されていない場合は適用できない
父親の相続の際に母親が配偶者控除により相続税が課税されていないケースがあります。
前回の相続で財産を取得していても相続税が課税されていない場合には相次相続控除は適用できません。
相続税の申告後でも適用できる
相続税の当初の申告で相次相続控除の適用を忘れていても、申告機電から5年以内であれば更正の請求により相次相続控除の適用を受けることができます。
未分割でも適用できる
相続税の申告期限までに遺産分割が決まらない場合は法定申告分で分割したと仮定して相続税の申告することになりますが、この場合でも相次相続控除を受けることができます。
数年以内に連続して相続が発生すると同じ財産に二重に相続税が課税されることになり、税負担もかなり重いものとなります。
相次相続控除の特例内容について解説しましたが、10年以内に二度相続が発生した場合には、要件等を確認し、忘れずにこの相続税を軽減する特例を活用しましょう。