相続時の事実婚はこんなに不利!/岡崎市の税理士法人アイビスが皆様のお役に立つ情報をお伝えします。
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最近では結婚(法律婚)という形をとらずに、事実婚という形でパートナーと共に生きる選択をする方々も増えていると思います。
事実婚は1980年代以降、生き方の多様性を求めるリベラル思考から国内でも一般的に語られるようになり、2010年の国勢調査では60万人が〝内縁〟の関係だと推測されています。
夫婦別姓が認められていない日本では便宜上、事実婚という形をとらなければいけなかったり、
伝統的性差別役割規範(ジェンダーの役割)からの解放など様々な理由や考えのもとで事実婚を選ばれています。
事実婚は個々の考えを尊重しあいながらパートナーと共に生きるという形をとれるいい側面もありますが、
今回は事実婚による相続に関してのデメリットをお話ししたいと思います。
人生の重要な部分では様々な法律が事実婚の〝夫婦〟の前に立ちはだかかっています。
それが最も顕著に表れているが相続です。
事実婚では、どちらか一人が死亡すれば、その相手は他人として扱われます。
婚姻届を役所に提出していなければ相続権そのものが発生しません。
そのため、事実婚は遺産分割協議にすら参加できず、蚊帳の外に置かれることになります。
被相続人に親族がいなければ、複雑な手続きを経たうえで「特別縁故者」として財産を受けとれる可能性もありますが
被相続人に前妻がいてその前妻の間に子供がいたらそれも望めなくなります。
もちろん遺言があれば事実婚でも財産を受け取ることは可能ですが、
法律婚の妻なら当然として認められる1億6000万円の配偶者控除は受けられません。
それどころか、通常相続税の基礎控除は【3000万円+600万円×法定相続人の人数の数】と、
さらに、土地の相続税評価額を最大8割引き下げることができる「小規模宅地の特例」も事実婚では適用されません。
そして、仮に相続人が85歳未満で一定の障害があれば、85歳までの年数×10万円が控除されますが、これも事実婚だと対象外になります。
パートナーが生命保険をかけてくれていたとしても、やはり事実婚では厳しい立場に置かれます。
被相続人が保険料を支払っていた生命保険では相続人が受け取る死亡保険金について500万円×法定相続人の数が非課税限度額と設定されています。
ただし、ここでも対象は「法定相続人」に限られていることから、事実婚は除かれます。
そして事実婚にとって、もっとも最大な問題は、実際に暮らしている家に相続以降は住めなくなる可能性があるということです。
事実婚のパートナーが死去した場合、その家の名義が死去したパートナーであれば相続財産として法律上の相続人が相続することになります。
そのとき、事実婚では基本的に対抗すること手段を持たないため、相続人が退去を命じれば黙って従わざるを得ない状況に陥ることになります。
配偶者が所有していた建物に住み続けられる「配偶者居住権」も事実婚には適用されません。
相続の現場では事実婚は基本的に“赤の他人„としての扱いであり、法律婚との待遇差は計り知れません。
事実婚を続けるうえで大事なのは、「様々な不利益につていしっかり認識ししていたら違った選択をしたかもしれない」ということのないように、
事実婚のデメリットもしかっり知っておくのがよいでしょう。
【事実婚のデメリットまとめ】 |
・法律婚の妻なら当然として認められる1億6000万円の配偶者控除は受けられません。 |
・通常相続税の基礎控除の【3000万円+600万円×法定相続人の人数の数】が適用されない。 |
・土地の相続税評価額を最大8割引き下げることができる「小規模宅地の特例」が事実婚では適用されません。 |
・相続人が85歳未満で一定の障害があれば、85歳までの年数×10万円が控除されますが、これも事実婚だと対象外。 |
・生命保険では相続人が受け取る死亡保険金について500万円×法定相続人の数の非課税限度額が適用されない。 |
・配偶者が所有していた建物に住み続けられる「配偶者居住権」も事実婚には適用されません。 |