NISAの抜本的拡充・恒久化[何が変わってどうなるの?]
令和5年税制改正大綱により、NISAの抜本的拡充・恒久化が盛り込まれました。
1/19,2/2にNISAの抜本的拡充・恒久化について解説をしましたが、結局何が変わって私たちの生活にどう影響してくるのかをNISAの記事の最終回として今回まとめていきます。
一般NISAはどう変わるの?
現行(R5年末まで) | 改正後(R6年より) | |||
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つみたてNISA | 一般NISA | つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
併用の可否 | 併用不可。どちらかの選択制。 | 併用可能。 | ||
年間投資上限額 | 40万円 | 120万円 | 120万円 | 240万円 |
非課税保有期間 | 20年間 | 5年間 | 無期限 | |
非課税限度額 | 800万円 | 600万 | 1800万円(うち成長投資枠で1200万円) | |
口座開設可能期間 | 令和5年まで | 恒久化 | ||
投資対象商品 | 積立・分散投資に適した 一定の投資信託 |
上場株式・ 投資信託等 |
積立・分散投資に適した
一定の投資信託 |
上場株式・ 投資信託等 |
●変更点
- 現行の制度では、つみたてNISAと一般NISAの併用はできませんでしたが、改正後には併用が可能となり、名称も変更されます。
- 年間投資上限額・非課税限度額が大幅に増え、非課税保有期間は無期限になります。
- 口座開設可能期間の定めがなくなり恒久化されます。
- 投資可能商品の幅が広がり、つみたて投資枠・成長投資枠と自己に合わせた投資枠の活用が可能になります。
ジュニアNISAはどう変わるの?
ジュニアNISAという名称はなくなり、改正後のNISAに統一されます
現行のジュニアNISAは、親が子供の名義で行うという形をとっていましたが、それがなくなり改正後のNISAが扱えるようになります。
※なお、ジュニアNISAは改正後のNISA制度が始まる令和6年に移管(ロールオーバー)手続きが取られます。
実務上の留意点
①生涯非課税限度額は取得対価の額の合計額で判定されることから、口座内で売却をした場合には再投資が可能となります。一方で、年間投資上限額は生涯非課税限度額とは異なり、口座内で売却をした場合であってもその売却した年における再利用はできません。
②NISA口座内で損失が発生した場合には、その損失はないものとみなされます。(他口座との損益通算不可)
③令和5年末までに改正前の一般NISA及びつみたてNISA制度において投資した商品は、新NISAにおける生涯非課税限度額には含まれず、現行制度の取扱いが継続されます。
④購入前時点での生涯投資額の合計額と生涯非課税限度額1,800万円との差額を上回る金額の商品を新たに購入する場合には、新NISA口座でなく通常の課税口座で受け入れることとなります。
⑤購入前時点での成長投資枠の生涯投資額の合計額と成長投資枠の生涯非課税限度額1,200万円との差額を上回る金額の成長投資枠商品を購入する場合には、その購入した全額が新NISA口座でなく通常の課税口座で受け入れることとなります。
最後に
1月から3回の記事に分けてNISA制度についての解説を行ってきました。
令和6年からNISAの制度が大きく変わることで、現在NISAを利用していない方もNISAの利用をご検討してみてもよいのではないでしょうか。
NISAの制度が変わるまで約1年あります。
この1年の間にご不明な点や疑問点が出てくるかと思われます。
NISA制度を含む令和5年度税制改正について疑問や不明点などございましたら、岡崎市、名古屋にある税理士法人アイビスまでご連絡ください。